「バニヤンの大樹」Ⓒ Isamu Maruyama
「バニヤンの大樹」について/東方学院の特徴
「バニヤンの樹は、中心になる幹から横に枝がのび、その枝から馬の尻尾を思わせる気根が出て空中にたれ下がり、それが次第に成長して地面に達し、さらに地中にのびて木の根となる。枝から空中にたれ下がっていた気根の部分は次第に固く太くなって立派な幹に変身する。このようにして何百本もの幹が出来、一本の木で壮大な林を作るのである。強烈な、容赦なく照りつける太陽光線を、その豊かに広げられた緑の大日傘でさえぎり、人々に涼しい木陰を提供している。インドの人々がこの樹を神聖視している理由もうなづけるものがある。
創立者中村元博士の学問の世界は、この生々と繁茂し、無限に成長し続け、憩いとやすらぎを与えるバニヤンの大樹のようである。数多くの太い幹がどっかと地中に根をはっていて、うっかりすると一本一本が独立した大木のように見えるが、よく見ると一本の中心になる幹を基軸にがっちりと組み上がった一つの大宇宙を形成している。中村博士の場合、その基軸をなす幹こそがインド哲学である。」[出典:前田專學「インド哲学と中村元」(『中村元の世界』青土社、1985)、66-67頁]
このバニヤンの大樹は、創立者中村元博士への敬愛の念を込め、中村元東方研究所/東方学院の在り方を象徴するモチーフとしています。