中部校 2019年度開講日程のお知らせ

2019年度の中部校の全講義の開講日が決定致しました。 詳細は各講義のページをご確認ください。 中部校講義一覧 2019年12月~2020年3月の講義日は以下をご参照ください。 ここにない講義は既に本年度終了しています。 … 続きを読む 中部校 2019年度開講日程のお知らせ

(C01) 仏教文献講読:『摂大乗論釈』を読む

福田 琢(ふくだ たくみ)
同朋大学教授

瑜伽行派の実質的な祖師、アサンガ(無著)の『摂大乗論』(五世紀)は、唯識思想に基づいて大乗仏教の全容を組織的に論述した教義書です。この講座はこのテキストを、弟のヴァスバンドゥ(世親)による註釈と併せて読み進みます。唯識の教学は、近年では精神分析や心理学と比較されるなど、様々な立場からの解釈が試みられていますが、ここでは文献に忠実に、できるだけ本来の文脈に即して正しく理解していくことを目的とします。テキストは原典ではなく国訳本(読み下し)を用い、主要な仏教用語や概念についてはサンスクリットの語源から説明します。できるだけ分かりやすく説明するつもりですが、たいへん難解ですので、受講生の積極的な努力に期待します。

(C02) 原始仏教の思想

服部 育郎(はっとり いくろう)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

原始仏教の思想について、成立が古くかつ重要な仏典『スッタニパータ』を中心資料に用いながら考える。「無常」「苦」「煩悩」「慈悲」などの基本的な教えは、初期の仏教においてはどのように説かれていたのか。経典の文章をていねいに読みながら、説かれた背景なども顧慮し、必要に応じてパーリ語原典の説明も加えて学んでいきたい。

(C03) 浄土三部経を読む

武田 龍(たけだ りゅう)
同朋大学仏教文化研究所客員所員

大乗仏教では理想の修行の場として浄土が構想され、浄土への往生が 濁世からの救済と考えられるようになりました。
中国で翻訳され浄土経典と呼ばれるようになった経典には、インド由来ではない要素が多く採り込まれ、浄土教を大きく発展させる力となりました。
今年は中国仏教徒の経典観を考慮しつつ、もう一度浄土三部経を読みます。

(C04) 釈尊の聖地巡拝

宇治谷 顕(うじたに あきら)
名古屋音楽大学名誉教授

年6回、釈尊の聖地巡拝について解説する。仏教はキリスト教やイスラム教のように唯一の聖地を持たず、複数の聖地を持つ。釈尊生涯の事跡を「四大聖地」叉は「八大聖地」として、多くの仏教徒たちが巡礼をした。その起源はアショーカ王の聖地巡拝に由来する。それらの根拠となる経典に『八大霊塔名号経』が存する。この経典は大乗経典ではなく、むしろ上座部経典といわれる。釈尊説法の対象は出家者であるが、その内容は在俗信者達がチャイティヤ崇拝を行うべきであると教えている。 本講座は、釈尊の聖地巡拝に関する経典や仏伝資料の記述・伝承を読み、それらの内容を解説する。

(C05) 『金剛般若経』を読む

谷口 富士夫(たにぐち ふじお)
名古屋女子大学教授

現在では『般若心経』の人気にかすみがちですが、日本を含むアジア各地で『金剛般若経』も古くから人気のある経典でした。本講座では、『金剛般若経』のタイトルと成立、インド・チベット・中国・日本などでの受容のありさまなどを概観し、経の本文を読むことによって『金剛般若経』に説かれた思想の魅力をさぐります。テキストは羅什訳を中心に読みますが、原語で読みたい方がいらっしゃる場合にはサンスクリット、さらにはチベット語訳も対照する予定です。

(C07) サンスクリット語初級

遠藤 康(えんどう こう)
愛知文教大学人文学部教授

インドの古典語であるサンスクリット語は、インドの仏教や諸哲学思想、古典文学等の理解に不可欠であり、南方仏教の聖典語パーリ語の学習や、広くヨーロッパ諸語の理解にも役立つ言語です。授業ではローマ字で記述されたテキストを用い、前期は名詞・代名詞の変化を学び、後期には動詞の変化を学んでいきたいと思います。授業は受講者の理解度に合わせてゆっくり進めていきます。

(C08) サンスクリット語講読

佐久間 留理子(さくま るりこ)
大阪観光大学教授

『ナラ王物語』『ヒトーパデーシャ』『カターサリットサーガラ』等のインド古典文学をサンスクリット語で講読します。また、授業では、同じインド・ヨーロッパ語族に属する英語等の言語との共通点や相違点についても適宜指摘します。なお、履修には初級のサンスクリット語の知識が必要です。

(C09) 空の思想―『中論』を読む(5)―

立川 武蔵(たちかわ むさし)
国立民族学博物館名誉教授

仏教史において「空の思想」とはどのような位置を占めるのであろうか。竜樹の主著『中論』を読みながら、竜樹の空の思想の特徴を明らかにしたい。2018 年度の講義に続くものであるが、2020年度からの参加も歓迎する。『中論』22-26 章に焦点をあてる。