(C01) 仏教文献講読:『成唯識論』を読む

福田 琢(ふくだ たくみ)
同朋大学教授

インド仏教の思想史的展開に最も大きな影響を与えたといっても過言ではない学僧ヴァスバンドゥ(世親)。この講読ではアビダルマから瑜伽行派へと展開した彼の唯識思想の精髄を「唯識三十頌」に学びます。弟子たちの解釈を通して「転変説」「アーラヤ識説」「三性説」といった諸概念の正しい理解を目指します。テキストは原典ではなく、玄奘が編集した注釈書『成唯識論』を国訳本で読みますが、主要な仏教用語や概念についてはサンスクリットの語源から説明します。

(C02) 原始仏教の思想

服部 育郎(はっとり いくろう)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

仏弟子は、大きく出家者と在家者にわけることができる、原始仏教聖典を資料に、在家と出家の相違について考え、その上で、特に在家信者に対して説かれたであろう教えを中心に学びたい。それは仏典の所説を現在の私たちが、いかに生かしていくべきかという重要な課題を考えることにもなる。なお、本年度は「生命」に関する諸問題を中心に考えたい。また、必要であれば原典(パーリ語、対応する漢訳)も確認しながら講義を進める予定である。

(C03) 仏伝に見る釈尊物語

宇治谷 顕(うじたに あきら)
名古屋音楽大学名誉教授

年6 回、釈尊生涯の事跡について、仏伝に記される内容を中心に現今迄の考古学・歴史学の発見等を参考にして解説する。仏伝はその成立史上2部に分けられる。1部は釈尊出家までの事跡を記し、前世の物語を含む。2 部は成道以降の事跡を記し、入滅その後の葬儀、結集までを含んでいる。『律蔵』の「受戒犍度」の記述と関連する2 部、1部は僧伽における伝承が起因して成立したと考えられる。今年は3年目になり、釈尊晩年の諸伝承を考察する。

(C04) 浄土三部経を読む

武田 龍(たけだ りゅう)
同朋大学仏教文化研究所客員所員

大乗仏教では理想の修行の場として浄土が構想され、浄土への往生が濁世からの救済と考えられるようになりました。原始仏教の知識に基づいて浄土三部経を読みます。既に無量寿経を読み了え、今年は観無量寿経と阿弥陀経を読みます。

(C05) 『現観荘厳論』概論

谷口 富士夫(たにぐち ふじお)
名古屋女子大学教授

おそらく5世紀に成立した『現観荘厳論』は、『二万五千頌般若経』の註釈書として書かれたが、後世、インドやチベットでは顕教を代表するテキストと考えられた。その一方で密教の先駆的な要素も少なくないという不思議なテキストである。本講座では、『現観荘厳論』の註釈対象となった『二万五千頌般若経』がどのような経典であるのか、タイトルに挙げられている「現観」とは何か、『現観荘厳論』の構成、『現観荘厳論』における密教の先駆的要素、チベットにおける『現観荘厳論』受容の歴史などについて学習します。

(C07) サンスクリット語初級

遠藤 康(えんどう こう)
愛知文教大学人文学部教授

インドの古典語であるサンスクリット語は、インドの仏教や諸哲学思想、古典文学等の理解に不可欠であり、南方仏教の聖典語パーリ語の学習や、広くヨーロッパ諸語の理解にも役立つ言語です。授業ではローマ字で記述されたテキストを用い、前期は名詞・代名詞の変化を学び、後期には動詞の変化を学んでいきたいと思います。

(C08) サンスクリット語講読

佐久間 留理子(さくま るりこ)
大阪観光大学教授

『ナラ王物語』『ヒトーパデーシャ』『カターサリットサーガラ』等のインド古典文学をサンスクリット語で講読します。また、授業では、同じインド・ヨーロッパ語族に属する英語等の言語との共通点や相違点についても適宜指摘します。なお、履修には初級のサンスクリット語の知識が必要です。