(T01) 仏教入門

前田 專學(まえだ せんがく)
(公財)中村元東方研究所理事長 兼 東方学院長

これは仏教について知りたいと思っている方への入門講義です。今から二千数百年前のインドの人々は歴史的・社会的・文化的に大きな変動の中にありました。仏教の開祖ゴータマ・ブッダは、その変動の時代に生まれ、神のような超人間的存在に頼ることなく、人間として如何に生きるべきであるべきかを考え、ただひたすら宇宙の理法(ダルマ)を追究し、それを人々に熱心に説き示し続けました。
本講義は、テキストを使って、そのブッダの生涯と思想についてお話し、出来ればその後の仏教の流れをたどり、仏教への誘いとなればと考えております。
(金曜日の「仏教入門」の講義は、同じテキストを使って黒川文子講師が担当します。)

(T02) 比較思想

川﨑 信定(かわさき しんじょう)
筑波大学名誉教授

「思想」に関して「比較」の手法と手続きはなぜ必要とされ、また有効であるのか。東西の思想文化圏において、どの時代においても問題とされている、人間にとっての普遍的問題のいくつかを取り上げ、思想を比較して論ずる意義を分析したい。

(T03) 仏教入門

黒川 文子(くろかわ あやこ)
NHK 学園講師

これは仏教について知りたいと思っている方への入門講義です。今から二千数百年前のインドの人々は歴史的・社会的・文化的に大きな変動の中にありました。仏教の開祖ゴータマ・ブッダは、その変動の時代に生まれ、神のような超人間的存在に頼ることなく、人間として如何に生きるべきであるべきかを考え、ただひたすら宇宙の理法(ダルマ)を追究し、それを人々に熱心に説き示し続けました。
本講義は、テキストを使って、そのブッダの生涯と思想についてお話し、出来ればその後の仏教の流れをたどり、仏教への誘いとなればと考えております。
(月曜日の「仏教入門」の講義は、同じテキストを使って前田專學学院長が担当します。)

(T04) インド仏教史

佐古 年穂(さこ としお)
駿河台大学大学院教授

釈尊が生まれ、仏教を育んだインド。そのインドにおける仏教の展開を概観します。仏教以前、釈尊の教え、アビダルマ仏教、大乗仏教、密教と、それぞれの思想内容、変化の理由などを考えていきます。仏教は難しいとよく言われますが、受講する皆さんの疑問にも可能な限り答えていくことで、初心者にとっての分かりやすい仏教入門となることを願っています。なお、特定のテキストを読んでいくことはありません。

(T05) 両界曼荼羅の源流

田中 公明(たなか きみあき)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

平安時代の初頭に最澄・空海らによって伝えられた曼荼羅は、日本における仏教図像の中心となったばかりでなく、その後の日本文化全般にも大きな影響を与えた。講師は、2017年に「両界曼荼羅の仏たち」を講じたが、今回は、インドにおける曼荼羅の成立から説きおこし、曼荼羅の歴史的発展と図像の象徴性を概観する。現在のところ、前期で胎蔵界・金剛界の両界曼荼羅の成立史を取り上げ、後期では曼荼羅の日本的展開、チベット・ネパールに伝えられた後期密教の曼荼羅、曼荼羅の欧米への伝播などの講義を予定している。

(T06) 伸びるアメリカ仏教の現状と原因 —日本仏教への示唆

ケネス・田中(けねす たなか)
武蔵野大学名誉教授

アメリカの仏教徒は、この四十年間で十七倍も増え、350万人となっている。彼らに加え、仏教徒とは断言しないが仏教的行動をとる同調者や仏教に強く影響された人々を含めば、約3,000万人という驚く数になる。授業では、2500年という仏教史の中で始めて「西洋の壁」を超えたこの現状と原因を理解し、最初から「現代」宗教であったアメリカ仏教が、日本仏教が直面している諸問題の解決に示唆を与えるかどうかを検討する。

(T07) 英語で『歎異抄』を読む

ケネス・田中(けねす たなか)
武蔵野大学名誉教授

『歎異抄』は浄土真宗の宗門を超え注目され、幅広い人気を呼ぶ書物である。それが、海外でも同じである。既に数ケ国語に訳されていて、英語でも10冊以上の訳がある。英語を通して読めば、また別の感覚と理解が生まれてくる可能性がある。例えば、「善人なほもって往生をとぐ、いはんや悪人をや。」の英訳は、Even a good person attains birth; how much more so the evil person!このように、英語の方が理解しやすいという人もいる。本講座では、『歎異抄』の前半が対象となります。

(T08) 仏教論理学入門

林 慶仁(はやし けいじん)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

インドで発生・発展した仏教の論理学を初歩より学んでゆきます。仏教論理学は思考の過程が重要であり、結論を急ぐものではありません。内容としては、仏教が規範師であることの証明、輪廻の論証、刹那滅の論証など、仏教の宗教哲学のものですが、これらをいかに考察したかを考えてゆきます。
仏教論理学の大成者ダルマキールティのテキストをサンスクリット語で理解する必要があれば、テキストを読んで参ります。

(T09) 夏目漱石『こころ』を読む

今西 順吉(いまにし じゅんきち)
北海道大学・国際仏教学大学院大学名誉教授

『こころ』は日本人なら誰もが知っていますが、この作品に対する解釈・評価は実に様々で、同一の作品に対する解釈・評価とは信じられないほどです。その原因は、深く共感して読み進むうちに、いつしか読者は自分の「内なる観念」を作品の中に読み込んでしまうことにあります。こうして『こころ』は読者の「私の『こころ』」になってしまうのです。しかし言うまでもなく『こころ』は漱石の作品です。その根幹には漱石の思想があります。思想を文学的構想力によって表現したものが漱石作品です。漱石の思想を把握しなければ『こころ』を理解することはできません。テキストに即して詳細に検討します。

(T10) 現代脳科学と仏教心理学

浅野 孝雄(あさの たかお)
埼玉医科大学名誉教授

過去10万年の間に人類の知能は双曲線的な発達を遂げ、それは現代において既に分岐点に到達している。大部分の人間がこの発達から取り残されていることによって、社会の格差が深刻化している。この問題に対して、科学あるいは仏教は、いかなる答えを示すことができるのだろうか。古代的世界観の復活は、おそらくは階級分裂を助長するだけであるから、脳と心の同一性に立脚する包括的一元論の確立を目指すことこそ、現代仏教が目指すべき道であると考えられる。