(T01) 仏教入門

藤井 教公(ふじい きょうこう)
国際仏教学大学院大学教授・学長

【仏教入門:金曜15:00-16:30】仏教の教えとはどのような内容なのでしょうか。開祖のゴータマ・ブッダはどのような生涯を送った人なのでしょうか。本講義は、初心者のための仏教の入門講座として、中村元先生の『中村元の仏教入門』を指南書としながら、仏教についてその基本から講義します。

(T02) インドの思想と文化―インド思想史入門―

加藤 隆宏(かとう たかひろ)
東京大学准教授

【インドの思想と文化:月曜17:30-19:00】この講義では、ヴェーダやウパニシャッドに始まるインド思想史を時間軸に沿って概観しながら、正統バラモン哲学諸派において展開された哲学的議論について紹介し、解説をしてまいります。講義ではなるべく原典(の邦訳)を参照し、古代インドの聖仙や思想家たち言葉に耳を傾けたいと思います。

(T03) 夏目漱石の『行人』を読む【本年度休講】

今西 順吉(いまにし じゅんきち)
北海道大学・国際仏教学大学院大学名誉教授

【夏目漱石の『行人』を読む:月曜13:00-14:30】『行人』は後期三部作の第二作にあたりますが、難解な小説として忌避される傾向にあると言えます。しかしこの作品も漱石にとっては非常に重要な作品です。この中で漱石は主人公一郎の絶望という形で、漱石のこれまでの仏教理解が誤っていたことを告白しております。作品の読解を通じてその点を明確にします。

(T04) 尊格学から見た大乗仏典の成立

田中 公明(たなか きみあき)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

【尊格学から見た大乗仏典の成立:火曜13:00-14:30】日本仏教の源流をなす大乗仏教は、インドで紀元前後に現れ、クシャン帝国時代(2~3世紀)に盛んになった。しかし仏教美術や碑文などの考古資料によって、大乗仏教の成立と発展を跡づけることは難しい。講師は、長年に亘る曼荼羅研究の結果、曼荼羅に描かれる菩薩には、初期大乗仏典に対告衆として説かれるものが多いことに気づき、そこから大乗仏典に説かれる仏・菩薩の尊名を手掛かりに、大乗仏教の成立と発展を跡づけられることが分かった。今回は書き下ろしの新著に基づき、新たな視点から大乗仏教の成立を考えることにしたい。

(T05) 伸びるアメリカ仏教の現状と原因 —日本仏教への示唆

ケネス・田中(けねす たなか)
武蔵野大学名誉教授

【伸びるアメリカ仏教の現状と原因:火曜15:00-16:30】アメリカの仏教徒は、この四十年間で十七倍も増え、350万人となっている。彼らに加え、仏教徒とは断言しないが仏教的行動をとる同調者や仏教に強く影響された人々を含めば、約3,000万人という驚く数になる。授業では、2500年という仏教史の中で始めて「西洋の壁」を超えたこの現状と原因を理解し、最初から「現代」宗教であったアメリカ仏教が、日本仏教が直面している諸問題の解決に示唆を与えるかどうかを検討する。

(T06) 英語で『歎異抄』を読む

ケネス・田中(けねす たなか)
武蔵野大学名誉教授

【英語で『歎異抄』を読む:火曜15:00-16:30】『歎異抄』は浄土真宗の宗門を超え注目され、幅広い人気を呼ぶ書物である。それが、海外でも同じである。既に数ケ国語に訳されていて、英語でも10冊以上の訳がある。英語を通して読めば、また別の感覚と理解が生まれてくる可能性がある。例えば、「善人なほもって往生をとぐ、いはんや悪人をや。」の英訳は、Even a good person attains birth; how much more so the evil person!このように、英語の方が理解しやすいという人もいる。本講座では、『歎異抄』の前半が対象となります。

(T07) 仏教論理学入門

林 慶仁(はやし けいじん)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

【仏教論理学入門:水曜12:30-14:00】インドで発生・発展した仏教の論理学を初歩より学んでゆきます。仏教論理学は思考の過程が重要であり、結論を急ぐものではありません。内容としては、仏教が規範師であることの証明、輪廻の論証、刹那滅の論証など、仏教の宗教哲学のものですが、これらをいかに考察したかを考えてゆきます。

(T08) 現代脳科学と仏教心理学

浅野 孝雄(あさの たかお)
埼玉医科大学名誉教授

【現代脳科学と仏教心理学:水曜15:00-16:30】過去において、十二縁起の「有→生→死→無明→行→識」という支の連関は、もっぱら神話的・ドグマ的に解釈され、そのことが科学思想の発展に伴って仏教が衰退することの主な原因となってきた。しかし、現代脳科学の意識理論に依拠するならば、それは次のような心的プロセスとして理解することができる。すなわち、「有→生」の2支は、人間が意識の流れにおける刹那滅(「生→死」)を介して、動物的存在から精神的存在へと生まれ変わることを意味する。それに引き続く縁起の回転によって継続的な識が生まれ、それが「慧」へと転化することによって、「覚り:精神的向上」への道が開かれる。そのことを八正道として実践することにおいて、人間は宇宙の新たな次元に創発する自律的で精神的な存在となる。このようなブッダの教説は、いかなるドグマにもイデオロギーにも頼ることなしに、人間の実存と向上が可能であることを示す自然主義的ヒューマニズムである。ブッダ本来の思想の現代における復活は、人類の歴史における一つの終わりの、新たな始まりへの還帰を意味するのだ。

(T09) 大乗仏教思想概説

渡辺 章悟(わたなべ しょうご)
東洋大学教授

【大乗仏教思想概説:木曜10:30-12:00】大乗仏教はどのような仏教を言うのか、それはいつ、どこで起こり、どのように展開したのか。これをスケッチするのはなかなか大変な作業です。本講座はインド仏教の背景から説き起こし、その仏教思想の本質を探ります。

(T10) ヒンドゥー教の思想と文化

宮本 久義(みやもと ひさよし)
元東洋大学教授

【ヒンドゥー教の思想と文化:木曜15:00-16:30】インドは仏教発祥の地として有名ですが、現在のインドでは約8割の人がヒンドゥー教を信仰しています。本講座では、仏教との相違を念頭に置きつつ、ヒンドゥー教とはどのような宗教なのかを総合的に解説します。