(B01) 『大乗起信論』を読む

竹村 牧男(たけむら まきお)
東洋大学名誉教授

【『大乗起信論』を読む:隔週月曜13:00-14:30】『大乗起信論』は、本書は今日、中国での成立との見方が有力であるが、思想内容はインド仏教を継承していると言えるであろう。本覚思想(如来蔵思想)や独自の唯識思想を展開し、成仏よりも信成就における救いの意義を強調して、大乗仏教の核心を明かしている。本講座では、この『大乗起信論』を通読することを目標に掲げ、本年度より最初から最後まで継続して講読していく。

(B02) 仏教文献講読:『摂大乗論』を読む

福田 琢(ふくだ たくみ)
同朋大学教授

【仏教文献講読『摂大乗論』を読む:第2月曜15:00-16:30】瑜伽行派の実質的な祖師、アサンガ(無著)の『摂大乗論』(五世紀)は、唯識思想に基づいて大乗仏教の全容を組織的に論述した教義書です。全10章のうち、今年度は阿頼耶識存在論証の後半、滅尽定有心説などの個所を扱う予定です。

(B03) スッタニパータ(経集)

山口 務(やまぐち つとむ)
真宗大谷派願照寺住職

【スッタニパータ(経集):月曜15:30-17:00または19:00-20:30】釈尊の言葉を含み、最古層の仏教経典のひとつと言われるスッタニパータ(経集)を中村元先生の訳を中心に読みます。

(B04) アビダルマ入門

木村紫

木村 紫(きむら ゆかり)
立正大学非常勤講師

【アビダルマ入門:火曜13:00-14:30】アビダルマは、仏により説かれた言葉をどのように理解するかということから始まっています。輪廻している私たちの心とそのはたらきと対象、そしてそれに基づく行為を詳細に分析し、原因と結果についても深く考察しています。聞きなれない言葉も多く、精緻な分析はこみいったジャングルのようですが、仏教思想を学ぶ上での礎でもあります。少しずつ解きほぐしながら、読んでいきたいと思います。

(B05) 浄土三部経を読む

武田 龍(たけだ りゅう)
同朋大学仏教文化研究所客員所員

【浄土三部経を読む:第3水曜14:30-16:00】大乗仏教では理想の修行の場として浄土が構想され、浄土への往生が濁世からの救済と考えられるようになりました。今年はインドにおける大乗仏教の興起の中で、部派の仏教サンガと大乗との関係について、阿弥陀如来と極楽について考えます

(B06) ブッダとその教え ―聖求経から―

勝本 華蓮(かつもと かれん)
姫路市立生涯学習大学校講師

【ブッダとその教え:2・4水曜 17:30-19:00】この講座では、パーリ原典をもとにブッダ(釈尊)の生き方や説かれた教えを学びます。本年度も昨年度に続き、釈尊の出家から成道、初転法輪までを描く「聖求経」(中部経典26)を読みます。

(B07) 長老尼のアパダーナを読む

勝本 華蓮(かつもと かれん)
姫路市立生涯学習大学校講師

【長老尼のアパダーナを読む:2・4木曜14:00-15:30】『アパダーナ』はパーリ小部にある韻文聖典で、現世で得た果報の違いを前世の行ない(業)から説明する文献です。この講座では、まず尼僧団成立の立役者となった、釈尊の継母ゴータミーの節から読み始めたいと思います。原文読解を演習形式で行ないますので、文法を習得された方にお勧めします。

(B08) 般若経を読む

渡辺 章悟(わたなべ しょうご)
東洋大学名誉教授

【般若経を読む:木曜15:30-17:00】般若経は紀元前後から数百年にわたって成立した経典群の総称です。今年度は取り上げる『般若心経』、拡大般若経のダイジェスト版なのですが、本講座では実際に複数の『般若心経』を読みながら、本経の説く真実の世界とは何かを探究し、あわせてその信仰世界を味わってみたいと思います。

(B09) 法華経を読む

北川 前肇(きたがわ ぜんちょう)
立正大学名誉教授

【法華経を読む:金曜10:30-12:00】西暦406年、鳩摩羅什三蔵によって漢訳された『妙法蓮華経』(法華経)は、天台大師、妙楽大師、伝教大師、日蓮聖人等の一乗思想を標榜する人々によって、種々の解釈がなされてきました。法華経には、私たち人間を絶対肯定し、娑婆世界に存在することの意義が説き明かされています。そこで、この法華経を文々句々読みとくことによって、その教えをたずねてみたいと思います。

(B10) 中論の思想

奥住 毅(おくずみ たけき)
元千葉敬愛短期大学助教授

【中論の思想:土曜11:00-12:30】龍樹の『中論』(唯一の梵語原典であるチャンドラキールティの註釈書『プラサンナパダー』)を読んで、空の思想について考えてみたいと思います。