(T18) 『華厳五教章』を読む

竹村 牧男(たけむら まきお)
東洋大学名誉教授

唐の賢首大師法蔵は、師・智儼のあとを受け、華厳教学を大成させた。その綱要が、『華厳五教章』にまとめられている。そこには、華厳宗の教相判釈、華厳一乗思想等のほか、事事無礙法界を構成する一入一切・一切入一、一即一切・一切即一等の論理を詳述した十玄門、六相門等が説かれている。『五教章』は十章から成っているが、本講ではその中、上記のような重要な教理を取り上げ、その該当箇所を講読する。

(T19) アビダルマ入門

木村紫

木村 紫(きむら ゆかり)
立正大学非常勤講師

アビダルマは、仏により説かれた言葉をどのように理解するかということから始まっています。輪廻している私たちの心とそのはたらきと対象、そしてそれに基づく行為を詳細に分析し、原因と結果についても深く考察しています。聞きなれない言葉も多く、精緻な分析はこみいったジャングルのようですが、仏教思想を学ぶ上での礎でもあります。少しずつ解きほぐしながら、読んでいきたいと思います。

(T20) 法華経を読む

北川 前肇(きたがわ ぜんちょう)
立正大学名誉教授

西暦406年、鳩摩羅什三蔵によって漢訳された『妙法蓮華経』(法華経)は、天台大師、妙楽大師、伝教大師、日蓮聖人等の一乗思想を標榜する人々によって、種々の解釈がなされてきました。そこには、私たち人間を絶対肯定し、娑婆世界に存在することの意義を説き明かしています。そこで、この法華経を文々句々読みとくことによって、その教えをたずねてみたいと思います。法華経は全二十八品ありますが、序品第一から順次拝読いたします。

(T21) 中論の思想

奥住 毅(おくずみ たけき)
元千葉敬愛短期大学助教授

龍樹の『中論』(唯一の梵語原典であるチャンドラキールティの註釈書『プラサンナパダー』)を読んで、空の思想について考えてみたいと思います。テキストは講師による和訳(奥住毅著『増補改訂・中論注釈書の研究』山喜房仏書林)を使用します。必要な人には必要箇処をコピーしたものを用います。(仏教の初歩的知識が必要です。)

(T22) 唯識説(唯識入門)

奥住 毅(おくずみ たけき)
元千葉敬愛短期大学助教授

中観派とならんでインド大乗仏教の二大学派の一つである唯識派の基本教説の理解に目標をおいて、根本教典である『成唯識論』(漢訳)を読みながら、なるべく平易に解釈したいと思います。 本年は、『新導成唯識論』の冒頭に付されている『唯識三十頌』(唯識説のエッセンスをまとめてある書)を読みつつ、『中論』とも関連づけながら、唯識の理論の全体を、できるだけやさしく解釈・解説します。(仏教の初歩的知識が必要です。)

(T38) 日蓮の書簡を読む —身延山における日々の活動について—

関戸 堯海(せきど ぎょうかい)
立正大学日蓮教学研究所客員所員

身延山に隠棲した日蓮(1222-82)は、弟子や信徒の教導に努めていた。そこには、多くの熱心な信徒から供養の品々が届いており、その都度、日蓮は丁寧な書簡を書き送って礼を述べ、法門を教示している。それらの書簡を拝読すると、身延山での日蓮の毎日の活動が現代によみがえってくる。本講義では、日蓮が身延山に入山した文永十一年(1274)から十二年の書簡を読み、身延山での日々の活動について考察したい。

(C01) 仏教文献講読:『摂大乗論釈』を読む

福田 琢(ふくだ たくみ)
同朋大学教授

瑜伽行派の実質的な祖師、アサンガ(無著)の『摂大乗論』(五世紀)は、唯識思想に基づいて大乗仏教の全容を組織的に論述した教義書です。この講座はこのテキストを、弟のヴァスバンドゥ(世親)による註釈と併せて読み進みます。唯識の教学は、近年では精神分析や心理学と比較されるなど、様々な立場からの解釈が試みられていますが、ここでは文献に忠実に、できるだけ本来の文脈に即して正しく理解していくことを目的とします。テキストは原典ではなく国訳本(読み下し)を用い、主要な仏教用語や概念についてはサンスクリットの語源から説明します。できるだけ分かりやすく説明するつもりですが、たいへん難解ですので、受講生の積極的な努力に期待します。

(C02) 原始仏教の思想

服部 育郎(はっとり いくろう)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

原始仏教の思想について、成立が古くかつ重要な仏典『スッタニパータ』を中心資料に用いながら考える。「無常」「苦」「煩悩」「慈悲」などの基本的な教えは、初期の仏教においてはどのように説かれていたのか。経典の文章をていねいに読みながら、説かれた背景なども顧慮し、必要に応じてパーリ語原典の説明も加えて学んでいきたい。

(C03) 浄土三部経を読む

武田 龍(たけだ りゅう)
同朋大学仏教文化研究所客員所員

大乗仏教では理想の修行の場として浄土が構想され、浄土への往生が 濁世からの救済と考えられるようになりました。
中国で翻訳され浄土経典と呼ばれるようになった経典には、インド由来ではない要素が多く採り込まれ、浄土教を大きく発展させる力となりました。
今年は中国仏教徒の経典観を考慮しつつ、もう一度浄土三部経を読みます。

(C04) 釈尊の聖地巡拝

宇治谷 顕(うじたに あきら)
名古屋音楽大学名誉教授

年6回、釈尊の聖地巡拝について解説する。仏教はキリスト教やイスラム教のように唯一の聖地を持たず、複数の聖地を持つ。釈尊生涯の事跡を「四大聖地」叉は「八大聖地」として、多くの仏教徒たちが巡礼をした。その起源はアショーカ王の聖地巡拝に由来する。それらの根拠となる経典に『八大霊塔名号経』が存する。この経典は大乗経典ではなく、むしろ上座部経典といわれる。釈尊説法の対象は出家者であるが、その内容は在俗信者達がチャイティヤ崇拝を行うべきであると教えている。 本講座は、釈尊の聖地巡拝に関する経典や仏伝資料の記述・伝承を読み、それらの内容を解説する。