(T19) 仏教聖典入門

堀内 伸二(ほりうち しんじ)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

膨大な仏教聖典に関する入門的な講義。まず仏教のアジア諸地域への伝播、仏教聖典の言語、仏教聖典の概要など、仏教聖典を知るうえで必要な基礎知識を学んだ上で、深い教理理解を踏まえ諸聖典の相互関係を明確に位置付けている『天台四教儀』を読みながら、仏教聖典の総合的理解が得られるようにします。その際、四教儀で扱っている諸聖典に関し、原典にたちかえり、できるだけ多くの具体的文章に触れられるように努めたいと思います。

(T20) アビダルマ入門

木村紫

木村 紫(きむら ゆかり)
立正大学非常勤講師

アビダルマは、仏により説かれた言葉をどのように理解するかということから始まっています。輪廻している私たちの心とそのはたらきと対象、そしてそれに基づく行為を詳細に分析し、原因と結果についても深く考察しています。聞きなれない言葉も多く、精緻な分析はこみいったジャングルのようですが、仏教思想を学ぶ上での土台でもあります。少しずつ解きほぐしながら、考えていきたいと思います。

(T21) 法華経を読む

北川 前肇(きたがわ ぜんちょう)
立正大学名誉教授

西暦406年、鳩摩羅什三蔵によって漢訳された『妙法蓮華経』(法華経)は、天台大師、妙楽大師、伝教大師、日蓮聖人等の一乗思想を標榜する人々によって、種々の解釈がなされてきました。そこには、私たち人間を絶対肯定し、娑婆世界に存在することの意義を説き明かしています。そこで、この法華経を文々句々読みとくことによって、その教えをたずねてみたいと思います。法華経は全二十八品ありますが、序品第一から順次拝読いたします。

(T22) 中論の思想

奥住 毅(おくずみ たけき)
元千葉敬愛短期大学助教授

龍樹の『中論』(唯一の梵語原典であるチャンドラキールティの註釈書『プラサンナパダー』)を読んで、空の思想について考えてみたいと思います。テキストは講師による和訳(奥住毅著『増補改訂・中論注釈書の研究』山喜房佛書林)を使用します。必要な人には必要箇処をコピーしたものを用います。(仏教の初歩的知識が必要です。)

(T23) 唯識説

奥住 毅(おくずみ たけき)
元千葉敬愛短期大学助教授

中観派とならんでインド大乗仏教の二大学派の一つである唯識派の基本教説の理解に目標をおいて、根本教典である『成唯識論』(漢訳)を読みながら、なるべく平易に解釈したいと思います。『成唯識論』は考えることへいざなわれる異世界です。入門的講義を随所にはさみながら講義を進めます。(仏教の初歩的知識が必要です。)
今年は唯識の修行の箇所を読みます。

(T24) 『華厳経』講読

吉野 惠子(よしの けいこ)
元(公財)中村元東方研究所専任研究員

『華厳経』を最初から講読し華厳の世界観を探ります。また経典に親しむことも目的とします。書き下し文を中心に必要に応じて漢文を参照し、読んでゆきます。さらに、経典に出てくる教義の意味を解説しながら、仏教的な考え方を探ります。新年度は「明法品」の続きから。
(仏教の基礎知識が必要です。)

(T42) 日蓮の書簡を読む —身延山における日々の活動について—

関戸 堯海(せきど ぎょうかい)
立正大学日蓮教学研究所客員所員

身延山に隠棲した日蓮(1222-82)は、弟子や信徒の教導に努めていた。そこには、多くの熱心な信徒から供養の品々が届いており、その都度、日蓮は丁寧な書簡を書き送って礼を述べ、法門を教示している。それらの書簡を拝読すると、身延山での日蓮の毎日の活動が現代によみがえってくる。本講義では、日蓮が身延山に入山した文永十一年(1274)から十二年の書簡を読み、身延山での日々の活動について考察したい。

(T43) 唯識思想入門 —気づきの仏教

横山 紘一(よこやま こういつ)
立教大学名誉教授

無著・世親によって組織大成された唯識思想は、ヨーガの実践を通して深層心を発見し、「眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那識・阿頼耶識」の八識を立てました。
本講義では、まずこれら八識一つ一つの働きを、続いて深層心である末那識・阿頼耶識の働きを解説し、最後に根本心である阿頼耶識について詳説します。そして、人生の目的は「自己究明」、「生死解決」、「他者救済」の三つであるという観点より、この三大目的を達成するために、私たちは、どのように生きて行けばよいのかについて、唯識思想に則して考えてみます。唯識思想は難しいとされていますが、できるだけ日常生活に則して、その思想をいかに実践に活かすかを考えてみます。

(C01) 仏教文献講読:『摂大乗論釈』を読む

福田 琢(ふくだ たくみ)
同朋大学教授

瑜伽行派の実質的な祖師、アサンガ(無著)の『摂大乗論』(五世紀)は、唯識思想に基づいて大乗仏教の全容を組織的に論述した教義書です。この講座はこのテキストを、弟のヴァスバンドゥ(世親)による註釈と併せて読み進みます。唯識の教学は、近年では精神分析や心理学と比較されるなど、様々な立場からの解釈が試みられていますが、ここでは文献に忠実に、できるだけ本来の文脈に即して正しく理解していくことを目的とします。テキストは原典ではなく国訳本(読み下し)を用い、主要な仏教用語や概念についてはサンスクリットの語源から説明します。できるだけ分かりやすく説明するつもりですが、たいへん難解ですので、受講生の積極的な努力に期待します。

(C02) 原始仏教の思想

服部 育郎(はっとり いくろう)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

原始仏教の思想について、成立が古くかつ重要な仏典『スッタニパータ』を中心資料に用いながら考える。「無常」「苦」「煩悩」「慈悲」などの基本的な教えは、初期の仏教においてはどのように説かれていたのか。経典の文章をていねいに読みながら、説かれた背景なども顧慮し、必要に応じてパーリ語原典の説明も加えて学んでいきたい。