(T25) 『教行信証』講義

本多 弘之(ほんだ ひろゆき)
親鸞仏教センター所長

親鸞の主著『教行信証』を読みつつ、親鸞の思想信念を明らかにしていく。本年度から「行巻」をしっかり読みといて行きたい。浄土教はいうまでもなく、大乗の仏教であるが、その浄土のすくいを、煩悩具足の身を生きながら、大悲の本願を聞けば、十分に味得できる道であることを明らかにしたのが、親鸞による革命的な了解であろう。この機会に『教行信証』の言葉を味読してそのことを明らかにしたいと思う。

(T26) 親鸞の生涯と思想

常磐井 慈裕(ときわい やすひろ)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

親鸞は、日本仏教史上最も有名な僧侶であり、日本人に最も人気のある僧侶だといっても差し支えあるまい。しかしながら、在世中には全く無名な人物であり、このような評価は近世、あるいは近代以降に形成されたものと見て良いであろう。そのため、親鸞の私生活、実体験など殆ど不明なままである。信仰や思想信条が明確にされるのとは正反対である。このような相克をいかに捉えるべきであろうか。固定概念を払拭して、新たな親鸞像を模索すべく、考えてみたい。

(T27) 聖徳太子の思想─仏教との関わりから─

藤井 教公(ふじい きょうこう)
国際仏教学大学院大学教授

親鸞は聖徳太子を「和国の教主」、すなわち日本の仏と讃えているが、太子の思想は仏教と深く関わっている。「十七条憲法」や太子撰とされる三経義疏などを見ても、その中に太子の一貫した仏教思想を読み取ることができる。本講は、『法王帝説』『聖徳太子伝暦』などの太子の伝記や『日本書記』などの史書、三経義疏などの資料を適宜使用しながら、まず太子の事績を検討し、ついで太子の思想について仏教思想を中心に考えていきたい。