(T12) 本覚・如来蔵思想から密教へ

津田 眞一(つだ しんいち)
国際仏教学大学院大学名誉教授、Ph.D.(A.N.U.)、文学博士(東京大学)

仏教の思想史は挙げて或る<弁証法>的定式の目的論的提示としてある。この定式は、それが西田の所謂「絶対者の自己表現の形式」であるが故に、キリスト教神学の上にも開放される。現に巨大なバルト神学は、その後半(『教会教義学』の段階)において、この<弁証法>的事態の、但し、隠蔽としてあるのである。本講は今年度、その事態の仏教における表明である如来蔵思想に立ち戻り、その思想的本質とそれが負っている制約とを解明する。