(C01) 仏教文献講読:『摂大乗論釈』を読む

福田 琢(ふくだ たくみ)
同朋大学教授

瑜伽行派の実質的な祖師、アサンガ(無著)の『摂大乗論』(五世紀)は、唯識思想に基づいて大乗仏教の全容を組織的に論述した教義書です。この講座はこのテキストを、弟のヴァスバンドゥ(世親)による註釈と併せて読み進みます。唯識の教学は、近年では精神分析や心理学と比較されるなど、様々な立場からの解釈が試みられていますが、ここでは文献に忠実に、できるだけ本来の文脈に即して正しく理解していくことを目的とします。テキストは原典ではなく国訳本(読み下し)を用い、主要な仏教用語や概念についてはサンスクリットの語源から説明します。できるだけ分かりやすく説明するつもりですが、たいへん難解ですので、受講生の積極的な努力に期待します。