(S14) 東南アジアの宗教・歴史・文化

奈良 修一(なら しゅういち)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

【東南アジアの宗教・歴史・文化:木曜16:30-18:00】東南アジアと言われる地域は、中国文明とインド文明の狭間にあり、交易を中心とする国家を成立してきた歴史があります。また、その土地の文化の上にインド宗教文化などを受容し、それをその土地のものとして変容してきました。日本との関わりも深いこの地域ではありますが、その宗教・歴史・文化はあまり知られていません。本講義では、この地域の歴史を概観すると共に、受容してきた文化も考察していきます。

(S13) 仏教学から見たハイデッガーの哲学の本質

津田 眞一(つだ しんいち)
国際仏教学大学院大学名誉教授、文学博士(東京大学)、Ph.D.(A.N.U.)

【仏教学から見たハイデッガーの哲学の本質:木曜15:00-17:00】釈尊によって教示された仏教の「存在の眞理」は、仏教の思想史的展開を俟ってその現実を実証する。仏教を全く知らなかったシェリングは、その『自由論』の世界構想において現実に仏教との顕著な並行性を示しており、さらに、意識的にはそのシェリングを迂回せんとしたハイデッガーの思考は、その「存在の眞理」の内実において、果然、回帰的にシェリング=仏教的な方向性を示してくる。本講は今年度、その回帰の現実を検討し、以て仏教思想の開放性の一端を証示する。

(S12) ヒンドゥー教の思想と文化

宮本 久義(みやもと ひさよし)
元東洋大学教授

【ヒンドゥー教の思想と文化:木曜15:00-16:30】インドは仏教発祥の地として有名ですが、現在のインドでは約8割の人がヒンドゥー教を信仰しています。本講座では、仏教との相違を念頭に置きつつ、ヒンドゥー教の成り立ちから神々の構成と神話の解釈、人々が遵守すべき教義、祖先供養、聖地巡礼などを解説します。

(S11) 釈尊と弟子たちの物語

岡本 健資(おかもと けんすけ)
龍谷大学准教授

【釈尊と弟子たちの物語:木曜11:00-12:30】仏典は釈尊の言葉を伝えるだけでなく、釈尊や弟子の「生き様」も描いています。この講義では、釈尊と弟子たちの「生き様」を描く仏典を読み、そこに内包される思想を研究会員の皆さんと一緒に検討します。

(S09) 大乗仏教思想概説

渡辺 章悟(わたなべ しょうご)
東洋大学名誉教授

【大乗仏教思想概説:木曜10:30-12:00】本講義はインドにおける大乗仏教の成立と発展を概観します。大乗仏教とは何か、またどのように成立し、発展したのか、その要因について、歴史的な基盤を踏まえて、政治、社会、経済、文化の立場から検討し、大乗仏教を支えた仏教教団の実態と、思想の変遷をみていきます。

(S07) 現代脳科学と仏教心理学

浅野 孝雄(あさの たかお)
埼玉医科大学名誉教授

【現代脳科学と仏教心理学:水曜15:00-16:30】紀元前五世紀の枢軸時代に生まれたブッダは、心についての教説を完成させた。それから現代に至るまで、脳自体はなんら変化したわけではないのに、ブッダの教説については、幾多の仏教諸派において、夫々に異なる解釈が為されてきた。このような現代において、脳科学が提示する意識理論とブッダの教説を照らし合わせて比較することは、脳と心の関係についてのより深い理解を可能ならしめると同時に、ブッダの教説の、時代と場所を超越した普遍性と真理性を見いだすことに役立つと考えられる。

(S06) 仏教論理学入門

林 慶仁(はやし けいじん)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

【仏教論理学入門:水曜12:30-14:00】インドで発生・発展した仏教の論理学を初歩より学んでゆきます。仏教論理学は思考の過程が重要であり、結論を急ぐものではありません。内容としては、仏陀が規範師であることの証明、輪廻の論証、刹那滅の論証など、仏教の宗教哲学のものですが、これらをいかに考察したかを考えてゆきます。

(S05) 原始仏教の思想

服部 育郎(はっとり いくろう)
(公財)中村元東方研究所専任研究員

【原始仏教の思想:第2火曜13:30-15:00】ブッダは弟子たちに何を残し伝えたかったのか。原始仏教の思想について、ブッダ最後の旅での出来事を記した 『マハー・パリニッバーナ経』を読む。

(S04) 両界曼荼羅をつくる

田中 公明(たなか きみあき)
チベット文化研究会会長

【両界曼荼羅をつくる:火曜13:10-14:40】制作と図像監修のプロセスをまとめた『両界曼荼羅をつくる』を教科書として、両界曼荼羅制作の過程とともに、両界曼荼羅の歴史や参照した先行作例を見てゆきたい。